ヘイズ中村の魔術講座 ④
霊話盤の神秘
小学校や中学校で一度はクラス中に流行するコックリさん。一定の文様が描かれた盤の上にコインなどをおいてから、複数の人間がそこに指を乗せると、あら不思議。するすると硬貨が動き出し、テキパキと質問に回答していくではありませんか。その仕組みや歴史、そして魔術的な使用法までを徹底解説。しかも、すぐに実践できるようにオリジナルの霊話盤が付録で着いています!

オカルト映画や小説では、悪魔に憑依される前触れとしてよく登場してくるウィジャ・ボード。今やアメリカではその名前が商標登録されるほどになったポピュラーな道具ですが、その一方で悪霊が呼び出されてしまう、精神的に悪影響があるなどというコントラバーシャルな話題が消えることもなく流布している神秘的な存在です。この本ではヘイズ中村がギリシア古典文学の『オディッセイア』まで遡り、死霊占い(ネクロマンシー)の歴史を紐解き、霊との交流について一歩ずつ解説していきます。
日本ではすっかり子供の遊びとして定着してしまっている霊話盤ですが、本来は由緒正しい死者との交霊会で使われる道具であり、しかも20世紀という現代に、れっきとした社会的地位もある大人たちが夢中になったものでもあります。今から考えると奇妙なことに思えるかもしれませんが、その背景には世界中を席巻した悲しい大事件もあったのです。霊話盤を必要としていたのは、どんな人たちだったのでしょう?
また、どうして訓練されていない一般人が人差し指を乗せただけのコインがまるで生きているかのように動いていくのでしょうか。その裏側には、古くから伝わっている「自動書記」という現象が関わっていることがわかっています。数々の宗教の基盤ともなったこの自動書記の仕組みと、その詳しい実例なども挙げての説明をしていきます。
自動書記で『法の書』を著したアレイスター・クロウリーは、霊話盤の神秘的な可能性を深く信じていたひとりである。弟子兼愛人であったジーン・ウルフやフラター・アハドとともに、頻繁に霊話盤を使っていたことが記録されている。
あの大魔術師クロウリーも使っていたとなると、当然、単なる「コックリさん」ではなく、魔術的な召喚技法を行っていたはずでは?ええ、この本にはそのための方法を、ステップ・バイ・ステップで説明しています。きっと、子供騙しのコックリさんではなく、大人の研究に足る「霊話盤体験」をしてもらえるのは、確実なのです。そのための特別な霊的修行などはしなくても、本書の注意書きにそえば、大丈夫です。この本を片手に、不思議世界の扉を開けてみませんか?