ヴィジュアル版・オールカラー
天使と悪魔の事典
精神世界の住人だけではなく、ゲーム好き、アニメ好き、ファンタジー好きの人たちならばきっと興味があるのが「天使と悪魔」でしょう。しかし、あまりにも多くの人や分野に取り上げてられてきたせいか、現代の彼らは二次創作と奔放な解釈とにまみれてしまっています。この本ではそうした余計な情報をできるだけ省き、天使と悪魔、それに連なる眷属たち本来の姿を説明します。
本書では、魔術書や魔導書、あるいは聖書の外典や偽典といった珍しい文書から、ヘイズ中村が長年のリサーチを生かして天使や悪魔たちの本来の姿を解き明かしていきます。また百聞は一見にしかず、の言葉通り、根拠が正しいだけではなく、美しいオールカラーの図版を全ページに掲載。読んでも眺めても楽しい気軽な入門書として作り上げました。
天使編では、有名な天使ごとの詳しい説明はもちろん、天使には大天使や智天使などがいるけれど、その順番はどうなっているのか、いつ決まったのかといったよくある疑問にしっかりと根拠を挙げながら回答しています。また、神の右腕とも呼ばれる天使ミカエルが、なんで大天使という中間管理職のような地位を与えられているのか、といった矛盾点も詳しく解説！すでにかなりの知識とマニアックな興味をお持ちの読者の方も満足していただける内容になっています。
そして天使を語るならば忘れてはいけないのが、彼らの活躍を語り伝えてきた聖書の物語でしょう。意外かもしれませんが、旧約・新訳聖書にはミカエルとガブリエルの二天使しか言及されていないのです。ほとんどの天使譚は「外典」と呼ばれる聖書周辺の物語が入っている書物群に紛れ込んでいるので、そうした情報もしっかりと発掘し、ご紹介しています。その流れで、天使たちと関わってきた人間である聖人たちの視点や記録も掘り起こし、普段は宗教的な側面でしか語られない魅力的なエピソードを拾い上げました。
また、天使だけではなく、ファンタジーなどでよく取り上げられる精霊たちのことも忘れてはいけませんね。一般的に「善良な存在」とされる彼らもまた、ピンからキリまで個性豊かに生きています。もちろん『指輪物語』からは欠くことのできない存在となったエルフについての歴史的な根拠が知りたい人にも、オススメなのです。
天使たちに階級や任務があるように、悪魔たちにもまた、個々の任務がある。彼らは宇宙的次元の企みから個人的なトラブルまで、多岐にわたって「悪」を働き、この世をわがものにしようとしている
そして厨二病心をくすぐる真打、悪魔についての解説もたっぷり。悪魔の世界は天使のそれよりさらにわかりにくく階級構造も複雑ですし、各々の悪魔がそれぞれ個性的。そして、堕天使として悪魔に堕ちたものや、これからまた天界へと返り咲こうとするものなど思惑も行動パターンも混沌としていて、読み進めるだけでもワクワクしてくることでしょう。
そんな悪魔たちですが、彼らの主な役割は人間を堕落させる「誘惑」なのです。日本では意外に知られていない誘惑の手段や種類、その結果もこの本ならば画像付きでバッチリ理解できます。眠れない夜、予定がぽっかりと空いてしまった休日の午後などの隙間時間でも気軽に読めてしまう本書で、天使と悪魔のエキスパートになった気分を味わえること、保証いたします！
