ペンジュラム雑感

色々比べて選びましょう

今では小学生でも使う占いグッズとして有名なのが、振り子占いです。英語のスペルは pendulum で、日本語ではペンジュラムともペンデュラムとも呼ばれていますが、どちらの発音でも構わないでしょう。私は普段、ペンジュラムと呼んでいるので今回はそれで統一してお話しします。ペンジュラムは、占いだけではなく、ヒーリングなどにも使われますが、今回は占いの用途に限っています。

最近は様々なペンジュラムが手軽に手に入るようになったのは良いのですが、その副作用として、あまりペンジュラムとして使い物にならないタイプのものも、広く販売され始めているようです。ということで、まずは占いに使うためにはどんなものが良いのか、から考えましょう。

できるだけ、天然素材でできたものを手に入れてください。木製、天然石製、真鍮製などがお勧めです。木製のペンジュラムの仕上げにニスが塗ってある、程度の加工はかまいませんが、プラスチックでコーティングしてあるようなものは避けましょう。最近流行しているレジン細工のものは、正直なところ使い物になりません。プラスチック系は、使用者であるあなた自身のエネルギーがとても伝わりにくく、結果的に回答が一定しにくいのです。同じ理由で、ペンジュラムについている紐も、天然繊維や金属を選びましょう。革紐も良いでしょうね。

天然石の種類は

最近では、ラピスラズリや水晶で作られたペンジュラムがとても多くなっています。そのせいか、どのパワーストーンのペンジュラムが一番当たりますか、といった質問もよく受けます。回答からいえば、どんな石でも全然、構いません。あなたが好きになるかならないか、だけが問題です。ただ、隕石で作られているペンジュラムだけは、若干の磁力を帯びている場合が多いので、磁石などと同じようにデジタル製品に近づけない、といった使用上の注意は必要でしょう。あと、ラピスラズリは本来、こうした造形には向かない石なので、リコンストラクションという再生技法が採られることがほとんど。天然100%だから高額です、などと謳っている製品には、少々、用心する方が良いでしょう。

そこまできたら、あとは手に取ってみてしっくりくるものを選べば良いだけなのですが、室内だけで使う予定ならば軽いものを、屋外でも使いたいと考えているならば、やや重めのものを探してください。軽いものを屋外で使うと、風に吹かれただけで動いてしまうので、天候などによって使用できる日が限られてしまうためです。

何が占えるか

実際にどんなことが占えるか、ですが、ペンジュラムはなんでもドンと来い!という占い道具ではありません。イエス・ノーといった単純な選択か、先に自分であげておいた複数の選択肢の中から一つを選ぶ、という占い方をします。質問と回答が単純だからでしょうか、出てきた回答には納得するものが多く、簡単な占いの割に正答率が高いという魅力があります。

ただ、この長所がまさに短所の裏返しにもなっています。あらかじめ選択肢を自分で選ばなければならないため、他の占いでは可能な「予想もできなかったような回答」というものが起きてこないのです。例えば、東大と京大のどちらが自分にあっていますか?という質問をしたとしましょう。ペンジュラムは性質上、そのどちらかがより適合性がある、という回答を出してきます。でもここには選択肢として入れていないため、もしかしたら、選択肢に入っていないハーバード大学やオックスフォード大学の方がもっと合っているかもしれない、という予想外の結果は出てこないのです。

もちろんこの例では、学費などを考えると選べる大学は限られてくるという反論もあるのは、重々承知しています。でもそこが占いの面白いところで、ハーバード大学に行けるよ、と出てしまった場合、全く知らなかった、あるいはそれまで存在すらしていなかった奨学金の受給資格があることがわかったり、といった不思議な連鎖が起きてくることも多いのです。でもペンジュラムでは、残念なことにこうした予想外の可能性を見つけることはまず、できません。

そこを踏まえて

占いの醍醐味は、自分の固定観念からは外れたところからの回答が来る、といったことも大きいのではないでしょうか。となると、ペンジュラムでの占いにはその楽しさや意外な発見が大きく欠けてしまうのが悲しいところです。でもその分、行方不明のペット捜索、といった範囲を限定しやすい占いには、かなり精密な結果を出してくれるという特徴もあります。また使い慣れてくれば、タロットカードと組み合わせて使う、といった手法をとって新たな世界を広げられます。

どんな占いにも長所と短所はあるものです。ペンジュラムもまた同じ。長所と短所を上手く使い分けて、楽しく使っていきましょう。

著者について

ヘイズ中村は子供の頃から神秘の世界に魅せられ、長じて占い師、魔術研究家になりました。とくにトート・タロットに惹かれて『決定版・トート・タロット入門』も執筆しました。隙間時間には下手の横好きなレース編みをしたり、異次元に想いを馳せられるSF映画など楽しんだりしています。

ヘイズ中村は下記のサイトでも活躍しています。ご意見や質問などお待ちしております!