天秤座に月があると
バランスだけじゃないかも


いやー毎年、夏が凄まじく暑く、そして長くなっていきますね。一昔前だったら秋の先頭を切った乙女座の季節なんて、完全に夏に飲み込まれてしまっている感があります。とはいっても、さすがに秋分から始まる天秤座の季節は、吹き渡る風にも秋の気配が宿っているように思えて、少し安心します。この時期に生まれた(つまり、この時期に太陽がある)天秤座さんは、一般的にバランス感覚と社交術の大家。でも、これが月がある人だとどうなるのでしょうか。ということで、視点を変えてお話ししてみましょう。ときはちょうど中秋の名月、月独特の運勢を楽しんでください。
占星術での太陽と月の違いは、難しくいうと顕在意識と潜在意識の差、だともいわれています。つまり、表側に出ている性格と本人も気が付きにくい無意識の性格の差です。無意識ですから、本人としてはせっかく良いところがあってもその長所を生かし切れない、という可能性も。それじゃもったいないですよね。ということで私が考える天秤座に月がある人の世界をお話ししましょう。
私が占ってきた天秤座に月を持つ人の多くは、かなり頭が良くて、いわば天性のプロファイラーです。誰かと会話を交わすうちに、それこそ無意識のうちに相手のことを細かく観察していますし、現実的な視点で分析していきます。そのため、仕事上での人間関係では何かと有利に動けますが、プライベートでは「なんだか監視されているような気がする」などといわれて嫌がられることがあるようにも思います。
相手をよく観察して、その人にあった話し方や話題を提供することができますから、当然、異性からはかなり好かれますが、本人はほとんどそれに気づいていません。それどころか、「私はもてない」という自虐的な確信をもって行動します。そんな態度が同性の目には嫌味に映り、しばしば反感を買ってしまうこともあるようです。
苦労が見えない
そんな月・天秤座さんのもう一つの特徴は、かなり大変な状況にいるのに、冷静に振る舞ってしまうこと、のような気がします。私がみてきたお客様の中でも、詳しくお話を聞けば聞くほど、とても長い間、ご家族の介護をなさっていたり、一人で経済的な負担を負っていたりといった家庭内の苦労を一手に背負ってしまっておられる方が多く見受けられます。もちろん、そうした辛い境遇におられる方は全ての星座に共通しているのですが、月・天秤座さんの場合は、本当にそれが表に出ないのです!その結果、心無い人から「あなたは苦労を知らなくていいわね」などと言われたり、仕事ではそれでなくても他の人より働きがちなのに、さらによけいな雑用まで押し付けられてしまう、といったことになりがちなのが特徴のような気がします。
どうしてそんなことになるのか、というと、決して気が弱いわけではないのですが、適切なタイミングで「ノー」といえない、というところに一つ、原因があるような気がします。これは、相手を傷つけたくないから、といった理由ではなく、本当にタイミングがつかめないことの方が多い模様。なので、月・天秤座さんが少しでも悩みを減らすためには、少しでも違和感を感じたら、まず立ち止まって考える、あるいは交流している相手の人に「ちょっと待ってほしい」と勇気を出して告げること、が大切です。それができるようになると、かなり毎日の心労も減ってくることでしょう。
客観性のパワー
そして、月・天秤座の人が気づかずに持っている大きなパワーは、客観性を維持する力でしょう。どんな状況であっても第三者として冷静に物事を見ることができます。そのせいか、自分がトラブルの真ん中にいたとしても、困っている人や弱っている人に救いの手を差し伸べる優しさを失うことがありません。さらに、太陽・天秤座の性質とも似ていて、どんなときでも社会的な礼儀作法などを忘れずに、優雅にふるまう力も持ち合わせています。
自分がいかにもてるのか、それが分からない月・天秤座さんですから、こんな長所も案外、知らないままで過ごしているのではないでしょうか。大丈夫、あなたはとっても都会的な魅力を持ち合わせている、スマートな人です。自信を持って、秋の名月を見上げてみませんか?