かわりばんこの魔法
ちょっと試してみて


子供の頃、雪が残っているところとそうではないところ、あるいは芝生と土、コンクリートと砂利、といった異なった地面を交互に踏んだり、スキップしたりして歩いた、という思い出はありませんか?そう、そんなことをしていると、一緒に歩いている大人からは「変な歩き方をしないの!」などと怒られたでしょうけれど、たいていの子供が小学校への通学路でやってしまう歩き方です。
意外かもしれませんが、実はこの歩き方には心身のバランスをとる、という重要な効果があるのをご存知でしょうか。そして、その効果は本格的な儀式魔術などにも取り入れられています。正直、このおまじないが先なのか、あるいは儀式が先なのかはよくわかりません。きっとおそらくは、ニワトリが先か卵が先か、のような関係だろうと思います。
市松模様の床
多くの西洋儀式魔術の会場では、床に黒と白のタイルが市松模様にはめられています。その理由は、黒という色は死やネガティブな事柄を、白がその逆の生命やポジティブな事柄を示しているから。人生をそのものをこの二色で表しているのですね。そんなのは嫌だ、ネガティブなことなど考えたくない、と思うかもしれませんが、我ら人間の人生は、そうは簡単にいかないのが悲しいところ。嬉しいことも嫌なことも平等に受け止めて、魂の成長の糧としていくしかないのです。そしてこの儀式会場の床はそれを象徴していて、そこに集った人たちは、黒、白、黒、白、と交互にタイルを踏み締めることで、自身の心にそれを刻み込んでいきます。
子供たちは、こうした効果を本能的に知っているのではないでしょうか。そうでなければ、こんなにもたくさんの子供たちが、順番に違った地面を踏んで歩く、という遊びに熱中するとは思えません。
やってみるには
もちろん、このおまじないを実行するためにそんな特殊な儀式会場に行かねばならない、ということはありません。それよりは単に無邪気な子供の頃に戻って、地面をじっくり眺めてみましょう。芝生の生えているところとないところ、舗装されている道と砂利のままの道、といった場所を選んで、交互に踏み締めて歩いてみるだけでも、同じ効果が期待できるのです。このとき、気をつけるのは次の二点だけです。舗装していないところも歩くことになるので、デリケートなデザインのサンダルとか、ピンヒールなどといったようなオシャレで都会的な靴は、ちょっとやめておいた方が安全です。あと、二つの違った地面を歩くと、体重のかけ方などでけっこうすってんころりん、と転んでしまいやすいもの。なので、鼻歌気分で実行するのは良いのですが足元にはしっかりと注意しながら歩く必要があります。
このおまじないが効果を表す分野は、次のようなものです。いつも同じようなことばかりをぐるぐると考えているとき。何にも楽しくないとき。親しい人といつも同じような理由で喧嘩になってしまうとき。そんなときは、あなた自身も一つの方向からしか、物事をとらえられていないことがほとんどです。そして、このおまじないは、そんな固まった状態を自然にほぐしてくれます。ぜひ、通勤や通学、お買い物などのちょっとした時間にこの歩き方を試してみてください。ショッピングモールやデパートの中で、違う色や模様のタイルを踏んで歩いてみるのもよし。しっかり目を開いて普段歩いている道筋を見てみると、けっこうイレギュラーなところが見つかるはずです。そして、そんなふうに日常にちょっとした発見をすること自体にも、あなたに新しい何かをもたらしてくれる力があるはずですから。