魔女の呪文とは

自分で作れます

不思議なことが好きな人ならば、一度や二度は呪文に興味を持ったことがあるのは不思議ではありません。というより、私が聞かれることでとっても多いのが「願掛けなどをするときに、どんな呪文を使えばいいんですか」という質問なのです。確かにゲームやアニメの中では、かっこいい決まり文句が放たれますし、おどろおどろしい魔導書から朗々と呪文を読み上げる魔術師、なんていう映画もよくあります。これは本当でしょうか。

マハリク・マハリタ、ラミパス・ラミパス・ルルルルル。そんな「魔女の呪文」はテレビやゲームに溢れています。特に最近のゲームでは、なかなか本格的な召喚呪文などが唱えられていることもけっこうある模様。中途半端に召喚なんてしたら、そのあとはどうなるのかしら?と心配してしてしまうことも。

それはともかく、一般の人は知らない不思議な言葉があって、それを正しく唱えさえすれば全てが変わる「何か」が起きる。それが、不思議好きさんたちが呪文に対して持っているイメージではないでしょうか。多人数が集まる儀式会場では一定の言葉が唱えられることが多いようですが、その場合は呪文というよりは儀式新工場のセリフであることがほとんど。また、アニメに出てくるような悪魔喚起の呪文や天使召喚の呪文なども、あることはありますが、その場合は呪文だけではなくそのための儀式を準備するのもとても大作業なので、まあ、お目にかかることも耳にすることもないものだ、と考えるべきです。

では、奇跡を起こせるための秘密の呪文、とは実際、どんなものなのでしょうか。残念ですが、そのような決定的な言葉はありません。特に魔女の呪文というものは、その時々の状況に合わせて、即興で作り上げるものが最強だ、とされているからです。ということは、あなたも困ったときにはそんな呪文を作り出すことができるのかもしれません。ここに呪文に必要な要素を挙げておきましょう。

必要なのは

まずはリズムがいいことです!呪文は気がるに口ずさめるようなリズムの良さが重要です。長々しく、つっかえながら本から読み上げるのではなく、鼻歌気分でルンルンと唱えられるようなものにしましょう。そしてもう一つ、願望ばかりを繰り返さないこともとても大切です。だって、何々が叶いますように、だけを繰り返していると、自分が嫌になってしまいます。冷静に考えてください、お金が欲しかったら、金!金!金!なんて唱えるんですか?はしたないですよね。それよりはポジティブで優しい言葉を選ぶようにしましょう。

そして、意外かもしれませんが、少しだけ意味が分かりにくい言葉も混ぜるようにしましょう。これが一番大切です。それは、分かりやすいシンプルな言葉ばかりだと、あなたの潜在意識が飽きてしまって、心の底まで呪文が入っていかないから。この分かりにくい呪文の最高傑作とされるのが、シェイクスピアの書いた『マクベス』の中で魔女たちが唱える「きれいは汚い・汚いはきれい」という有名な呪文です。なんで?って思いますよね。そんな捻りを入れるのが良い呪文のコツなんです。

名作を紐解きながら、自分だけの効果抜群の呪文を作ってみる。そんな工夫をしてみるのも良さそうです。タロットをシャッフルするときにも「当たれ、当たれ、あなたのために、私のために、みんなのために当たれ、当たれ」なんて唱えてみると、うんと当たる確率が上がりますよ、きっと!

著者について

ヘイズ中村は子供の頃から神秘の世界に魅せられ、長じて占い師、魔術研究家になりました。とくにトート・タロットに惹かれて『決定版・トート・タロット入門』も執筆しました。隙間時間には下手の横好きなレース編みをしたり、異次元に想いを馳せられるSF映画など楽しんだりしています。

ヘイズ中村は下記のサイトでも活躍しています。ご意見や質問などお待ちしております!